2011-04-03

桜の色






20年以上も昔、夏の軽井沢で入った草木染めの反物のお店。
桜染めに魅了されて、草木染めと織を習いたいと
軍畑の先生のところに訪ねていった事がある。
若くていろんな事情で断念したけど、
清流沿いの日本家屋、毎週行く度に日本の道具の美しさや、
簡素で丁寧な、ご夫婦のお暮らしに憧れた。当時60代半ば、
草木染め一筋に人生を注ぎ、まだまだ研究が足りないと笑っておられた。
けれど、教えてくれるときは早口だし、ノートに書きながら
皆おおまじめ、真剣でした。お二人共に何時もお着物でした。
いい反物ができたら欲しいと言われて売ってしまうとか。
私の祖母もいつも着物を着ていたせいか、
遠く離れていた祖母を重ねてみていたのかもしれない。
茶葉を急須にばさばさ入れ、お湯を注ぎ
急須の蓋をずらしてお茶を入れる仕草が大好きだった。
そのお宅のトイレをお借りすると、桐の床、壁で
必ずお香の素晴しい香りがした。たぶん香木かなにか。
生徒が着く前に、奥様が焚いておいてくれたのだと思う。
そして、美味しい餅菓子を毎回ごちそうになった。


0 件のコメント:

コメントを投稿